国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラム[International Collaborative Forum of Human Gene Therapy for Genetic Disease]

ご挨拶

設立実行委員長
衞藤 義勝

遺伝子治療の研究は、1990年に開始され、現在世界中で5,000人を超える患者さんが遺伝子治療を受け有効な結果も発表されており、特に免疫不全症などでは第一選択の治療になりつつあること等から、まさに遺伝子治療の幕開けと言える時代になってまいりました。

このような時代を鑑み、遺伝子治療の有効性・安全性が数多く報告されている欧米諸国との研究開発を行い、諸外国との情報交換の場を設ける為に、2010年に遺伝病の遺伝子治療に特化した本フォーラムを立ち上げ、翌年2011年に第1回 国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムを開催、その後も毎年、国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムを開催することにより、我が国の遺伝病遺伝子治療の進歩に貢献して参りました。

我が国の遺伝性疾患の遺伝子治療体制確立に向け、また難病疾患に悩む多くの患者さんの希望となるよう本フォーラムが発展することを祈念致します。

代表幹事のご挨拶

代表幹事
小野寺 雅史

国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムは2010年に設立され、それ以降、設立時の実行委員長であった衞藤義勝先生(当時 東京慈恵会医科大学教授)の指導の下、国内の遺伝子細胞治療の推進を図るため、患者団体を含む遺伝子治療者が集まり、「一体、何が問題なのか」という議論を続けてきました。それから14年が経ち、今回、衞藤先生に代わり代表幹事を拝命いたしました。

確かに、この10年余年で遺伝子治療の環境は大きく変化し、国内でも遺伝性疾患に対する遺伝子治療用製品が2つ承認されています。しかし、これらの遺伝子治療製品はすべて海外で製造されており、国内開発製品は存在せず、国内での研究開発基盤はいまだ脆弱であると言わざるを得ません。

今後も、難治性遺伝性疾患に対する遺伝子細胞治療の発展は、ゲノム編集やmRNAなどの新しいモダリティを活用し発展していくと思われます。このため、これまでの10余年にわたり経験した知見を基に、少しでも国内の遺伝子治療の研究・開発が前進するよう、国内外の遺伝子治療関係者を集結し、積極的な意見交換の場としてこのフォーラムが活用できるよう務めていく所存です。

今後も、皆様からのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

設立の趣旨

近年、欧米諸国では難病、特に遺伝病に関わる難病に対し、遺伝子治療の有効性、安全性が数多く報告され、その一部の疾患では幹細胞移植の代替療法として認可されるに至っております。ただ、我が国においては遺伝子治療を支えるインフラの不備から、遺伝子治療を治療の一選択肢としてこれら難病を抱える患者様に提供できない状況にあります。このことを深く鑑み、この状況を打開するためには単に医師、研究者がその研究成果を発表するだけではなく、遺伝子治療に関わる全ての関係者ならびに実際の生活においてご苦労されている患者様やそのご家族が一堂に会し、「一体何が問題なのか」を明確にすることで少しでも我が国の遺伝子治療実施体制を整備していくことが重要と考え、このフォーラムを発足致しました。